施設見学に訪れた皆様からよく聞く質問をご紹介します。
見学時の質問
ごみを投入する前に、焼却炉内を重油バーナーで330℃まであたためます。この状態で焼却炉内にごみを入れると、ごみは自然に発火します。
一旦ごみに火がつくと、ごみの持つエネルギー(熱量)を利用して、燃料を使わずにごみを燃やし続けることができます。
燃やす一般ごみの中にアルミや鉄などの金属が混ざっていると、焼却炉の床(火格子)やコンベアなどに挟まって設備故障の原因となります。
特にアルミは融点が低いので、焼却炉内で溶けてしまい、コンベヤや焼却炉本体の壁に付着して設備をいためてしまいます。
当施設では年間約21,600MWhの電力を発電しています。 これを一般家庭に置き換えると、約7,300世帯分の電力となります。
また、当施設では発電した電気をまず施設で使用し、年間約15,300MWhの余剰電力を地域に送電しており、これを一般家庭に置き換えると約5,100世帯分の電力になります。
※当施設の送発電量は令和元年度実績。一般家庭の使用電力量は、H27年度の1世帯あたりの平均消費電力量(電気事業連合会調べ)にて算出。
1日平均、約151トンのごみが運ばれてきます。そのうち、一番量が多いのは、一般ごみ(可燃ごみ)で全体の83%を占めます。次に多いのは燃やす粗大ごみで12%、残りは不燃ごみです。
※令和元年度実績 / 資源ごみは除きます
ごみが一番多い月は5月です。逆に少ない月は2月です。例年同様の傾向にありますが、5月や10月などの天気が穏やかで過ごしやすい季節ほどごみが多い傾向にあります。
※令和元年度実績。資源ごみは除きます。
まず、ごみ処理費用の低減が挙げられます。ごみの収集運搬、焼却等の中間処理、埋立等の最終処分に多大な費用がかかっており、大部分を税金で賄っています。ごみを減らすことができれば、処理費用、施設の建設費用など様々な面で費用を減らすことができます。
次に身近な環境問題としての側面です。ごみになる前の商品は、もともと天然の資源を使って作られています。プラスチック・金属・紙などの資源を大切に使わなければ、将来、資源が足りなくなるかもしれません。また、商品の製造や運搬にも電気・石油・ガスなどの多くのエネルギーが使われています。
チラシやコピー用紙などの紙ごみ類、食べ物の端材や食べ残し等の台所ごみ、衣類・タオルなどの布類、プラスチック製品が大部分を占めています。
資源ごみとして排出することが可能な、紙ごみ類、布類が目立っている状況です。これらを分別するとごみをもっと減らすことができます。
※本施設では、処理対象物の内容把握と分別状況の確認のため、定期的にごみのサンプリング調査を実施しています。
購入したゲームソフトの中身をバラバラにすると、以下に分けることができます。
- 商品梱包用のプラスチック製の透明フィルム
商品を包装しているフィルムで、購入・開封後不要になるため、容器包装プラスチックになります。 - ゲームソフト本体(ブルーレイ等の光ディスク・コンパクトフラッシュ)
一般ごみ
※コンパクトフラッシュ、SDカード類は一般ごみです。 - 取扱説明書
紙なので、雑誌・チラシ類と一緒にまとめて、月1回の古紙の回収日や近隣の資源ごみステーションへ出してください。 - ソフトと取り扱い説明書が入っているプラスチックの箱
遊び終わった後に、ソフトを片付ける箱なので、一般ごみになります。
※容器包装プラスチックとは、商品を入れる「容器」または、商品を包む「包装」であり、商品を消費したり、商品と分離した場合に不要となるプラスチック製のものです。 - 箱の外側に差し込んである、ゲームのタイトルや紹介が書いてある紙
取扱説明書と同様に雑誌・チラシ類になります。
大きく次の3つの理由があります。
- 焼却炉の起動・停止に時間がかかるので、毎日起動・停止することが難しい
焼却炉の規模にもよりますが、本施設を例にすると焼却炉の起動(立ち上げ)に8~12時間、焼却炉の停止(立ち下げ)に3~4時間程度かかります。あらかじめ焼却炉が温かい状態であれば短くすることもできますが、毎日、起動・停止していると、ごみを燃やす時間が短くなってしまいます。 - 焼却炉の起動・停止時はごみの不完全燃焼が発生しやすくなる
起動時のごみの燃やし始め、停止時の燃やし切る工程は、焼却炉の温度が低くなるため、安定燃焼が困難となり排気ガスの状態が不安定になる場合があります。 - 施設の建設費や維持管理費用を低減することができる
1日8時間運転と比較すると、焼却炉の規模を1/3にすることができるので、ごみ焼却施設の高価な建設費用を大幅に縮減でき、敷地面積も小さくできます。また、焼却炉の起動・停止時に使用する燃料も少なくて済みます。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、市町村単位でごみ処理を行うこととなっており、ごみの出た地域でごみ処理を完結させる原則があります。また他の市町村までごみを運搬するのが非効率な場合もあります。
一方、ごみを処理するためには、焼却施設や最終処分場等の建設、これらの施設運営に多大な費用がかかります。そこで、各市町が別々にごみ処理を行うよりも、近隣の市町と共同で廃棄物処理施設を建設して運営するほうがスケールメリットを得られて、より効率的なごみ処理を行うことができます。
また、市町によっては廃棄物処理施設の建設に適した地域・用地がない場合があり、他市町と協力しないとごみ処理ができない事情がある場合もあります。
本地域では、ごみの収集運搬・中間処理・最終処分までの流れを、地域内で一番効率良く行う方法として、白山市・野々市市・川北町が共同でごみ処理を行っています。
収集車の大きさにも様々な種類がありますが、皆様の町に一般ごみを集めに行く普通の大きさの収集車の場合、約3.5トンのごみを積むことができます。重量をごみ袋に数に換算すると、約1500個分となります。
燃えないごみの日に収集している電池や蛍光灯は、まずクリーンセンターに運ばれてきます。
蛍光灯は水銀を使用しているため、当施設にある専用の装置で水銀を外部に出さないようにしながら細かく砕いて、ドラム缶に貯留します。
電池も水銀や重金属が含まれている可能性があるため、クリーンセンターで一時貯留します。
クリーンセンターで貯留後、北海道の野村興産イトムカ鉱業所に搬出し、当工場で精錬し、再び資源に生まれ変わります。